「んじゃ、オレは春の洞窟でもいく」
そういって突貫壱号はカウルから去っていった。 その日は特にやることがなくて、オレはカウルで突貫とだべっていたのだ。 入れ違いで広辞苑が来た。 カウルに居ることを伝えると、行くというのでまっていた。 しばらくして広辞苑がやってきた。 「いよぅ」 「もはっす」 そんな感じで声をかけた、そのときふと違和感を感じた・・・ (あれ?なんかいつもと違うぞこいつ) ナニが違うかはわからなかったが、妙な違和感があった。 とりあえずオレ達はピエタの前辺りで語り始めた。 はっきりいって店の邪魔だったと思うが、まぁドンマイ☆ってやつだな。 しばらくして・・・ (わかった・・・) 突然! オレは気がついてしまったのだ。 会った時から感じていた違和感・・・ その原因に・・・ (ずっ・・・ずれてやがる・・・) そう広辞苑の髪型が・・・ ずれていたのだ! 街を歩いている連中も気がついているようだった・・・ しかし! 広辞苑は自分のヅラがずれていることを気がついていなかった! さらにたちの悪いことに・・・ (この男、自分のカツラがばれてないと思っているって事だ) これはかなりまずい・・・ 自分がヅラなのがばれてないと思ってる男ほどたちの悪いものはない・・・ どうやって教えよう? このままでは、広辞苑がヅラなのがトレビゾ中に広まってしまう。 結果として、広辞苑はトレビゾに居場所をなくしてしまう。 色々思案した。 (結局、この3っつのうちのどれかしかないか・・・) その3っつとは。 ①言いにくいことをズバッと言ってくれる仲間が現れる ②鏡の前にさりげなく誘導する ③剥ぎ取ってやる、現実は非情である どれにするかは結構悩んだが。 現実的にみて①は難しい。 言いにくい事をはっきり言う仲間・・・ つまり突貫はつい先ほど、春の洞窟に行ってしまっている。 その突貫がオレのピンチを知り、待ってましたって感じでアメリカンヒーローよろしく登場し。 「おい広辞苑、てめーズレてんだよ!さっさとなおせ、恥ずかしいやつめ」 なんて都合のいい事をしてくれるとは思えなかった。 (やはり②番か・・・) そう思い立って誘導しようとしたとき・・・ オレは自分の最大の見落としに気がついた! (しまった・・・この世界には・・・) 「鏡がねぇじゃねぇか・・・」 最後の部分は言葉に出してしまった。 まったく持ってうかつだった。 オレの考えた打開策は・・・ 後は③しか残っていなかった・・・・・・ ③・・・・・・・・・ 「広辞苑・・・」 「ん?何だ会長」 「覚悟!」 そういってオレは広辞苑のヅラを剥ぎ取った。 「なっ!」 何か言い出す前にオレの方から話してやった。 「ずれてたんだよ!しょうがないじゃないか!」 ・・・・・・・・・ そうしたら・・・ 「ひでぇよぅ・・・うっうっっ・・・」 マジ泣きしてやがった・・・ 「わっ、悪かったよ・・・」 次の日から広辞苑は・・・ ターバンをつけ始めた・・・ あれで締め付けていれば・・・ もうズレることはないだろうと、オレが言ったからだ・・・・・・ 今でもターバンを見ると、広辞苑のマジ泣きしてる姿が目に浮かんでくる。 チョットしたトラウマだ・・・
by tokigamihouji
| 2005-11-04 22:42
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